人工知能学会第30回金融情報学研究会, pp. 24-31, Mar. 4, 2023
人工知能学会第30回金融情報学研究会 (SIG-FIN)
近年、電力自由化と脱炭素化の取り組みが重要視されており、大口需要家の電力調達も様々な調達手段を組み合わせた複雑なものとなってきている。本研究では、大口需要家がカーボンニュートラルを実現するための電力調達戦略の分析を行った。電力市場を模擬した人工市場モデルを構築し、更にPV・FC・蓄電池・DRを含む調達手段を利用可能とした大口需要家である工場エージェントを導入した。本研究はまず、全ての調達手段を活用した新しい電力調達方針を作成した。その後カーボンニュートラルを実現するための総コストの観点から、各調達手段の効果を分析したほか、さらにDRシナリオの改善と効果の検証を行った。結果として、PVは顕著なコスト削減効果を持っており、FCの効果は発電単価の値下げに伴い大幅に増大していた。蓄電池とDRの効果はPVほどではないが、一定の効果が確認できるため、有効な調達手段と考えられる。これらの分析結果に基づくと、DRシナリオにPVの影響を考慮すべきであると考えられるため、最後に、PVの稼働を考慮に入れるDRシナリオを作成した。それを用いた実験の結果、この新しいシナリオが脱炭素にかかる総コストの低減につながることが確認できた。
電力市場; マルチエージェントシミュレーション; 電力調達戦略; 工場;
10.11517/jsaisigtwo.2023.FIN-030_24
@inproceedings{Cheng2023-sigfin30, title={{電力市場シミュレーションを用いた発電・蓄電・DRを組み合わせた大口需要家による電力調達戦略分析}}, author={程, 竜 and 和泉, 潔 and 平野, 正徳}, booktitle={人工知能学会第30回金融情報学研究会}, pages={24-31}, doi={10.11517/jsaisigtwo.2023.FIN-030_24}, year={2023} }